夏色の約束。~きみと生きた日々~
そしてあおちゃんのお母さんは、さっきなんて言ったの……?
なつは必死で頭を回転させて、さっきの言葉を思い出す。
あおちゃんが……あおちゃんが……。
あおちゃんが、あと一年しか、生きられない………?
「いやぁぁぁあ………っ」
言葉が脳裏にはっきりとよみがえった時、ドアの向こうからあおちゃんのお母さんの叫び声が聞こえた。
「お母様、落ち着いてください。……ただ、こればかりは仕方ないのです。我々も先ほど申した通り、最善を尽くしますので……。後は、ドナーが現れるのを待つのみかと……」
「……いやよっ!そんなの、嘘よ……っ。碧が、……私の大切な碧が……っ」
「……申し訳ありません。碧くん、そしてご家族のお役に立てず……」
なつは呆然としながら、中で繰り返される会話を耳にしていた。
胸が、尋常じゃないくらいに鼓動を刻む。