夏色の約束。~きみと生きた日々~


「ねぇ…っ、お医者さんなんでしょ……?だったら……っ、あおちゃんの病気を治してよ……っ!」


声が枯れそうなくらい、必死で叫び続けた。


なつの声が枯れるくらいで、あおちゃんが助かるなら……。


「ねぇ…、ねぇ……っ!あおちゃんを、助けてよ……」

 
バカみたいだよね。


なつの声がいくら枯れたって、あおちゃんの命とは引き換えにならないのに。


なるわけが、ないのに。


「なつの大好きな人を……っ、お願いだから、助けてよ……っ」


それでも願ってしまうのは、きっと君のことが大好きだから。


君がなつにとって、なくてはならない存在だからなんだよ。


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