夏色の約束。~きみと生きた日々~
「そんなの、ないよ……っ」
だって、そうでしょ?
そんなの、有り得ないじゃん。
………だってね、先生。
先生は知らないかもしれないけど。
「あおちゃん……っ、頑張って生きようとしてるんだよ……? つらい治療に何年も耐え続けて、なつと一緒に生きてくれようとしてるんだよ……っ?」
なつは、痛いほど知ってるの。
あおちゃんが誰よりも頑張ってることを。
あおちゃんがなつの知らないところでたくさん泣いていたことを。
そして、あおちゃんがここにいる誰よりも、“生きたい”と願っていることを。
なつは、知ってる。
………なのに、“仕方ない”って言われて、“はい、そうですか”って、簡単になんて終われないよ。