夏色の約束。~きみと生きた日々~
「あおちゃんがあきらめてないのに……なんで先生が先にあきらめちゃうの……っ」
あおちゃんを信じてあげてよ。
奇跡を信じてるあおちゃんを、助けてよ。
「あきらめないで……っ」
あおちゃんがまだ生きようとしてるのに、先生があきらめちゃったら、それこそ本当の終わりじゃん。
ねぇ、お願いだから………。
なつの大切な人を、死なせないで。
「なっちゃん」
絶望の淵にいて、希望の光が見えなくなって。
何もかもが分からなくなったなつの耳に、優しい声が響いた。
なつは、涙でびしょびしょに濡れた瞳であおちゃんを見つめる。
「俺は、生きるよ」
その力強い一言が、なつの胸にストンと落ちた。