夏色の約束。~きみと生きた日々~
「きっと俺、余命宣告されたんでしょ?自分の体だから、よく分かってたんだ。いつかはこの日がくるって」
あおちゃんはすべてを受け入れたように、そっと微笑んだ。
「でも、だからって、あきらめられないよ。自分の命を、そんなに簡単には捨てられない」
あおちゃんはそのまま言葉を紡ぐ。
「大切な家族といるために、大好きななっちゃんといるために。俺は生きなきゃ」
「……碧」
「お父さん、お母さん、心配ばっかりかけて、本当にごめんね。それから、おばあちゃんの家にいる結衣にも謝らなくちゃ」
困ったように笑ったあおちゃんの頭を、あおちゃんのお父さんが優しく撫でた。
“そんなことはいいんだ”
そう言って、涙を流しながら。