夏色の約束。~きみと生きた日々~
恋花火
「これ、おかしくないかなぁ……」
今、なつは鏡の中に映る自分とにらめっこしてる真っ最中。
かれこれ、もう20分くらいは自分の姿を見続けてると思う。
だって、だってね。
“浴衣に似合うよ”って言われて、お母さんに頭のてっぺんから髪の毛を少し結って右サイドでひとつにくくってもらったんだけど………。
どうも、よく似合ってないような気がするんだよね。
「ねぇ、お母さん……。この髪型、本当になつに似合ってるかな……?」
「え?」
「変、じゃない……?」
気になって気になってどうしようもなかったから、なつはお母さんにそう聞いてみた。
そしたらお母さんは、分かりやすく目を丸くする。