夏色の約束。~きみと生きた日々~
まるで小さな子供に戻ったみたいで、なんだか恥ずかしくなったなつは少しだけ俯くと、浴衣の裾をきゅっと握る。
「なっちゃーん!」
そしたら外から大好きな君の声が聞こえてきて、なつはまた勢いよくお母さんの顔を見上げた。
「あおちゃん、きた!」
嬉しくて嬉しくて、なつはその場で両手をパチンと合わせる。
そんななつを見たお母さんはまた笑って、
「碧くんから離れないのよ? 気をつけて行ってらっしゃい」
そう言いながら、なつに手を振った。