夏色の約束。~きみと生きた日々~
薄い茜色に染められた空の下を、あおちゃんと手をつないで歩く。
「ねぇ、あおちゃん!」
「なに?」
「最初は何する?ヨーヨー釣り?いや、ボール救いがいいかな?……いやいや、やっぱりりんご飴食べる?」
「ちょ、なっちゃん?」
「ん?」
「そんなに慌てなくていいから!なっちゃんのやりたいこと、全部しよう?」
昔からお祭りが大好きで、今日のこの日を誰よりも楽しみにしていたなつの気持ちは、自分が思ってるより大きかったみたい。
爆弾が爆発したみたいにやりたいことを上げていくなつをなだめるように、あおちゃんは優しく笑ってくれた。
「……あ、なっちゃん」
お祭り会場に着いたら、まずは何をしようかな。
何を食べようかな、どこで花火を見ようかな。