夏色の約束。~きみと生きた日々~
そんな他愛ないことを考えていたら、あおちゃんが何かを思い出したように急にその場に立ち止まった。
だから、あおちゃんと手をつないでいたなつの足も必然的に止まる。
でもあおちゃんはなにも言い出すことはなくて、そのまま数分が経った。
さすがに不思議に思ってあおちゃんの手をグイッと引っ張ると、あおちゃんはようやくなつの顔をまっすぐ見つめる。
「……その浴衣、すごく可愛いね」
「へ?」
「なっちゃんが着てる浴衣。なっちゃんによく似合ってると思うよ。それに、髪の毛も大人っぽくて、なっちゃん見てるとドキドキする」
あおちゃんはふっと口元を緩めた。