夏色の約束。~きみと生きた日々~


あおちゃんは、きっと知らない。


“可愛い”のたった一言が、女の子をこんなにも幸せな気持ちにすることを。


そして……。


「そっか……。なっちゃんがそんなに嫌なら、いいや……」


この寂しそうな瞳が、女の子の胸をきゅーっと締め付けることも、あおちゃんはきっと知らないでしょ?


「ごめんね、なっちゃん。もう、なっちゃんが恥ずかしがることは言わないから」


眉毛を下げて、少し悲しそうに微笑むあおちゃん。


……違う、違うんだよ。


なつが思ってるのは、そんなことじゃないのに。


あおちゃんに、そんな顔させたいわけじゃないのに。


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