夏色の約束。~きみと生きた日々~
自分の気持ちを上手く伝えられないもどかしさに、胸がひどく締めつけられた。
「……うの」
「え?」
「違うの……」
なつは、ぼんやりと呟く。
「嬉しかったの……。あおちゃんが、“なつの浴衣姿可愛い”って言ってくれたから……」
恥ずかしくて恥ずかしくて、あおちゃんの顔がまともに見えない。
「恥ずかしかったけど、嫌じゃ……なかったから……」
……もうやだ。
本当に、恥ずかしい。
だけど、あおちゃんに誤解されるのは、もっと嫌だ。