夏色の約束。~きみと生きた日々~


「だからさ、なっちゃん」


君の射抜くような真剣な瞳が、なつを捕らえて離さない。


一瞬、花火の音も聞こえないくらい、ふたりの世界に陥ったような気がした。


「もし、俺が病気に勝って、自分の夢を叶えて。命の大切さを伝える役目を担うときがきたら、一緒にステージに立ってくれる?」

「……え?」

「紹介したいんだ。病気の俺に“光”をくれた、命の恩人なんだって。俺の大切な人だって」


優しく笑ったあおちゃんは、なつの肩をそっと抱き寄せる。


「……大好き、なっちゃん。本当に、なっちゃんが好きすぎて困るくらい」


なつの心臓が、いつもより早いリズムを刻むのが分かった。


「だから、俺と一緒にきてよ」


耳元で囁かれたその問いに、なつはバカみたいに何度も頷いた。


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