夏色の約束。~きみと生きた日々~
「ねぇ、あおちゃん……」
「ん?」
「……好きだよ」
なつがポツリとそう呟いたとき、夜空がたくさんの花火でいっぱいになった。
遠くの屋台から聞こえる、感嘆の声。
色とりどりの大きな空の花は、ジュワっと音をたてて静かに消えていく。
真っ暗な夜空に残った跡を見ながら、儚くて切ないような、なんとも言えない気持ちになる。
だけど、とてもきれいだと思った。
「………俺も、なっちゃんが世界で一番、大好きだよ」
顔を空から隣に向ければ、なつの大好きな優しい笑顔がそこにはあって。
幸せだなって、心の底から思った。