夏色の約束。~きみと生きた日々~
急に突きつけられた残酷な現実に、なつはただ涙を流すしかなかった。
大きな声を上げて泣きたいのは、きっと、あおちゃんの方なのにね。
いつも、なつばっかりが泣いちゃって、ごめんね。
「……ああ、このまま時が止まればいいのに。そしたらずっと、なっちゃんと一緒にいられるのにな」
そう寂しそうに呟いた君の表情に、ひどく胸が締めつけられた。
あおちゃんはなつを見ると、そっと微笑む。
「泣いてるなっちゃんの涙を拭うのも、不安なときにそばにかけつけて、こうして抱きしめてあげるのも。全部全部、これから先も俺の役目だったらいいのに」
あおちゃんはなつの涙を拭って、なつの頭をポスンと胸の中に閉じ込めてくれた。
とても温かくて、安心する。