夏色の約束。~きみと生きた日々~
なんであおちゃんは、そんなに悲しいことを言うのだろう。
なつは、あおちゃんじゃなきゃダメなのに。嫌なのに。
泣いたときに涙を拭ってくれるのも、つらいときや不安なときに抱きしめてくれるのも。
全部全部………
「……あおちゃんじゃなきゃ、やだ」
「俺も、なっちゃんが他の誰かに抱きしめられてるところなんて見たくないや」
「大丈夫だもん。あおちゃんはそんな心配しなくていいの。だって、なつがこれから先、あおちゃん以外に抱きしめられることなんて絶対ないから」
なつは強く強く、あおちゃんの体を抱きしめた。
“なつには君しかいないんだよ”って、ちゃんと伝わるように。