夏色の約束。~きみと生きた日々~
動きだした最後の時間
「ねぇねぇ、あおちゃん!とうとうあと一週間だね、卒業式まで……」
「あー、もうそんな時期なんだね……。早いなぁ、時間が過ぎるのは」
道路に転がる石ころを順番に蹴り合いながら、なつたちは下校の真っ最中、そんな話をしていた。
……本当だね、時間が過ぎるのは、とても遅いようでとっても早い。
そう、なつたちはあと一週間で、小学校を卒業するんだ。
6年間過ごしてきた思い出の場所から、一歩前へ、踏みだすんだ……。