夏色の約束。~きみと生きた日々~
前までは全然気付かなかったけど、こうしてあおちゃんと学校に通えることも、当たり前のことなんかじゃなかったんだね。
もっとひとつひとつの時間や行動を大切にしなきゃいけないね。
ひとりでそう思っていると、あおちゃんが突然なつの肩をトントンと叩いた。
「ん?」
「もう、なっちゃんの家だよ」
その言葉にハッとして周りをキョロキョロ見渡せば、確かにここはなつの近所で。
ってか、なつの近所じゃなくて、なつの家の前。
「……今日も、送ってくれてありがとう」
なつがにこっと笑えば、あおちゃんは優しく目を細めて微笑んだ。