夏色の約束。~きみと生きた日々~
ねぇ、あおちゃん。
なつがきっと心から笑えないのはね、あおちゃんがいないからだよ。
今日の卒業証書授与式のとき、“高岡碧”って、君の名前が呼ばれたんだ。
なのに、あおちゃんの姿はそこにはなかった。
卒業式の練習のときのように大きな声で返事をするあおちゃんも、堂々と卒業証書を受け取りにいくあおちゃんも。
一週間前の練習のときにはあったあおちゃんの姿が、どこを探してもなくて。
それを目の当たりにしたなつは、涙が止まらなくなったの。