夏色の約束。~きみと生きた日々~
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『えっと……これ、ちゃんと映ってるのかなぁ……』
その瞬間、テレビの画面に映ったのは、他の誰でもない、なつの大好きな人。
思いもしなかった展開に、なつの頭がめちゃくちゃにかき乱される。
『えっと、俺、こうしてひとりでビデオ撮るのは初めてだから、上手く撮れてるのか分からないけど……。最後まで聞いてくれると嬉しいです』
画面の中のあおちゃんは軽く頭を下げて、少し照れくさそうに笑った。
一週間も会えてなかったあおちゃんの笑顔に、胸がジンと熱くなってくる。
『まずは俺、みんなに謝らないといけないことがあります。俺は小さな頃から、“心臓病”という心臓が上手く動かない病気でした。そして、きっともう長く生きることができません』
あおちゃんのその告白に、教室にいた誰もが驚きに近い悲鳴を上げた。