夏色の約束。~きみと生きた日々~
でも、あおちゃんはなんにも言ってくれなくて。
それがよけいに怖くなって、なつは、あおちゃんとつないでいたてのひらにぎゅーっと力を込めると、“なにか言ってよ”と暗黙のメッセージを送る。
「………なっちゃん」
なつの隣にいるあおちゃんを見れば、少し瞳を潤ませながら、なつのことをジッと見ているあおちゃんと目が合う。
「ぼく、ぜったいなおすから。びょうきにかって、いきるから」
「……うん」
「だからさ、なっちゃん。もしぼくがびょうきをなおしたら、ずっといっしょにいてくれる?」
「………うん、いるよ。なつ、あおちゃんとずっといっしょに、いる」
突然告げられたあおちゃんからの告白。
まだ幼かったなつは、“ずっと一緒”という言葉がどんなに大きな意味を持つのかも知らずに、ただ必死で頷いていた。
「ほんと!?」
あおちゃんの瞳が、海に反射する太陽のようにキラキラと輝く。