夏色の約束。~きみと生きた日々~


……ずっと、会いたかった。


島の海のように優しいこの笑顔に、焦がれて焦がれて。


どうしようもなく、会いたかったの。


「……あ、おちゃ……っ」


ごめんなさい。


あおちゃんの優しさにばっかり甘えて、なつはあおちゃんのことを全く考えていなかった。


あおちゃんが笑顔の裏で死の恐怖に怯えてたことも、たくさんのことを考えて悩み苦しんでいたことも。


全部全部、気付いてあげられなかった。


「……ご、めんね……っ」


泣きじゃくるなつの背中を宥めるように、たくさんの温かな手がなでてくれる。


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