夏色の約束。~きみと生きた日々~


「碧はお前のことを責めたりしねぇよ。俺らは碧が病気だってことを初めて知ってびっくりしてるけど、菜摘は病気のこと知ってたんだろ?」


その言葉に、なつは小さく首を縦に振った。


「菜摘も、つらかっただろ。大好きな碧がそんな病気なんてさ……。どんなにつらい時も、俺らに言えなくて。でも、もう大丈夫だ。菜摘と碧、ふたりだけで闘おうなんて思わなくていい。これからは俺らもみんな、碧を全力で支えるから」


誰かが、なつの頭を優しくなでた。


そのなで方はあおちゃんとは違うものだったけど、それでもなぜだかホッとして。


顔を上げると、クラスの中でもあおちゃんと一番仲が良かった叶多(かなた)くんがなつを見て微笑んでいて。


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