夏色の約束。~きみと生きた日々~
中央にひとつ、ポツンとベッドがあって、その上に寝ている男の子。
『……あおちゃん』
周りにあるたくさんの機器にあたらないように気をつけながら、なつはあおちゃんのそばまで歩み寄った。
なつたちの横を、温かな春風が通り抜ける。
『もう……本当にあおちゃんはバカだね。あんなビデオレターまで残して。あおちゃんのお母さんから聞いたよ?あのビデオレター、私たち親にも内緒で撮ってたんだって』
制服のスカートの裾が、風に乗ってひらりと踊った。