夏色の約束。~きみと生きた日々~


『なつはね、そんな優しいあおちゃんのことが、すごく大好きだよ……』


君が見せてくれたたくさんの笑顔を思い出して、少しだけ泣いてしまいそうになった。


だけど、慌てて涙をこらえる。


『あおちゃん、なつはずっと待ってるからね。だから、今度目が覚めたときは、たくさんおしゃべりしようね』


そう言ってなつは、飛びっきりの笑顔をあおちゃんに向けた。


そうすれば、あおちゃんが“なっちゃん”って目を覚ましてくれそうな気がしたから。


なつが笑うことであおちゃんを安心させることができるのなら、なつは何度だって君に笑顔を見せるよ。


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