夏色の約束。~きみと生きた日々~
「今日、入学式だったんだ。この島は中学校ひとつしかないからさ、小学校とメンバーは変わらないんだけどね。あ、そうだ!クラスの子たちがね、“碧は元気か”って心配してたよ?」
何度も、何度も。
「本当、この島には温かい人が多いよね。大好きだなぁ。この島の人たち、みんな」
あおちゃんが目を覚ます日まで、なつは絶対あきらめないんだから。
「……だけどさ、やっぱり、なつはあおちゃんの優しさが一番好き」
……ってなつ、なに言ってるんだろう。
自分で言ったことなのに、なんだか無性に恥ずかしくなったなつは、あおちゃんから目をそらして控えめに笑った。