夏色の約束。~きみと生きた日々~
なつはあおちゃんのことをもっと笑顔にしたくて、今の自分の素直な気持ちを口にした。
「なつ、あおちゃんのこと、だいすきだもん」
「……え?」
「あおちゃん、なつにやさしいでしょ?だからね、なつ、あおちゃんといたらしあわせになれるとおもうんだ!」
なつが思った通り、あおちゃんは顔を綻ばせて笑う。
「なつ、あおちゃんのこと、ずっとすきでいるね」
なつがあおちゃんを見て微笑みながらそう言うと、今度はなぜか顔をりんごみたいに真っ赤にして、
「ぼくもなっちゃんがだいすき。せかいでいちばん、なっちゃんがきれいだもん」
なつに向かってそんなことを言ってきた。
あおちゃんの“大好き”がとても嬉しくて、なつはつないでいる手をぶんぶんと振り回す。
「あおちゃん、なつたち、ずっといっしょ?」
「うん。ずっといっしょだよ!」
「ずっと、ずーっと?」
「ははっ、そう。ずーっと!」
横を見れば、なつから目を逸らして、真っ青な海を眺めているあおちゃん。
口元を微かに緩めて微笑んでいるその横顔を見て、この島の青い海がとてもよく似合うなって、そう思った。