夏色の約束。~きみと生きた日々~


「すごく可愛いじゃない!よく似合ってるわ。碧くんもきっと、喜んでくれるわよ」


お母さんが、目尻を下げて微笑んだ。


今日もこれからお母さんとふたりであおちゃんの病院に行く予定。


車に乗りこんで、もう見慣れた景色を瞳に映しながらお母さんはいつもの道のりを行く。


白いシフォンワンピースに合うように選んだ淡いピンクのバックには、あの時おばあからもらった青バラのキーホルダーが揺れていた。


< 232 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop