夏色の約束。~きみと生きた日々~
───コンコン。
お母さんが病室の扉をノックすると、中からあおちゃんのお母さんの可愛らしい声がする。
「あら、菜摘ちゃん!いらっしゃい。碧もきっと、菜摘ちゃんのことを待ってるわよ」
扉の奥から出てきたあおちゃんのお母さんは、なつの顔を見てにこっと微笑んでくれる。
そしてすぐに、なつをあおちゃんのもとへと案内してくれた。
「ほら、碧。今日もあなたの大好きな彼女さんが会いにきてくれたわよ?」
あおちゃんのお母さんが楽しそうに声を弾ませる。
「ああ、菜摘ちゃん。今日もきてくれたんだね。本当、こんなに可愛い彼女がいてくれて、碧は幸せ者だなあ」
あおちゃんのお母さんの後から、あおちゃんのお父さんも姿を現した。
なつの顔が、さっきの言葉のせいで徐々に火照っていく。