夏色の約束。~きみと生きた日々~
「……だからか。なっちゃん、ものすごく髪の毛伸びてるんだもん。また、きれいになったね」
あおちゃんは照れたようになつから目をそらす。
今までずっと意識を失ってたとは思えないくらい、あおちゃんの振る舞いは自然だった。
「ってことは、なっちゃんも中学生になったんだね。なっちゃんの制服姿、見てみたいな」
「……また、見せてあげるよ」
あおちゃんが意識を失ってる間、制服で何度もここにきたんだよ。
だからあおちゃんは、なつの制服姿を見てるはずなんだよ。
とは、言わなかった。
「……あ、今、お医者さんと看護師さんを呼ぶからね……っ。あおちゃんのお父さんとお母さんもすぐに呼ばなきゃ……」
あおちゃんとの会話に捕らわれてばかりじゃいけない。
そのまえに、早くみんなに知らせないと。
そう思ったなつは、あおちゃんの頭上にあったナースコールを力いっぱい押した。