夏色の約束。~きみと生きた日々~
「……おい!碧……っ!」
ガラッと病室の扉が勢いよく開いて、あわてた様子で入ってきたのはあおちゃんのお父さんとお母さん。
それに続くようにして、なつのお母さんやお医者さん、看護師さんも慌ただしく姿を現した。
お医者さんはなつに、
「ちょっと離れててくれるかな」
と真剣な面もちで言うと、すぐにあおちゃんの胸の音を、近くにあった画面モニターを見ながらチェックしていく。
可能性が少ないと言われていたのに、あおちゃんは目を覚ました。
なつのもとに、生きて帰ってきてくれた。
……だからきっと、もう大丈夫だよね?
そう思ったのに、顔を上げたお医者さんの顔はなぜかとても険しかった。
とても、嫌な予感がした。