夏色の約束。~きみと生きた日々~
驚いてあおちゃんの顔を見れば、あおちゃんはなつをまっすぐに見つめてやんわりと微笑んでいた。
「……美奈子(みなこ)さん。碧と菜摘ちゃんを、海に連れて行ってあげてくれないかしら」
その時、それまで黙ってことの成り行きを見守っていたあおちゃんのお母さんが、なつのお母さんに向かってそう言った。
まさかあおちゃんのお母さんがそんなことを言うとは思ってもいなくて、なつは目を大きく見開く。
「え……でも……。碧くんが……」
なつのお母さんもそれは同じみたいで、とても困惑した表情であおちゃんのお母さんを見た。
そんななつのお母さんに、あおちゃんのお母さんは必死で頭を下げる。