夏色の約束。~きみと生きた日々~


『海かぁ……。じゃあ俺は、ずっとなっちゃんのことを見ていられるね』

『……?』

『ははっ、なっちゃん意味分からないって顔してる』


むぅ……だって、本当に分からないんだもん。


どういう意味なの?


なつがあおちゃんをジーッと見つめると、あおちゃんはあどけなく笑った。


『だってね、俺が死んだら海になるってことでしょ?これから先、もしかしたら俺となっちゃんがお別れしなきゃいけないときがくるかもしれない』

『……ん』

『でもさ、俺が海になれば、例えなっちゃんから俺の姿は見えなくても、俺はずっとなっちゃんを見守ることができる。なっちゃんが泣いて海にきたら、俺がいっぱい照らしてあげるよ、元気をあげるよ』


そう得意気に言って、また笑ったあおちゃん。


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