夏色の約束。~きみと生きた日々~
───コツン。
ひとりで準備と格闘していると、窓になにかがあたる音がした。
「………なんだろ?」
そう思って、なつはカーテンの裾を両手で掴むと、シャーッと勢いよくカーテンを開ける。
「う、わっ……」
窓から差し込む大量の太陽の光に、なつは思わず目を瞑った。
「おーい、なっちゃん!」
しばらくの間そのままでいたら、窓の下から誰かがなつのことを呼ぶ声がする。
あ、この声は………。
「あおちゃん!」
やっぱり、あおちゃんだ!
なつは窓をガラガラっと開けると、あおちゃんに向かってぶんぶんと手を振った。
あおちゃんはそんななつを見てにこっと笑うと、
「学校、遅れるよー!早く降りてきて、なっちゃん!」
そう言いながら、“早く早く”となつを急かす仕草をした。