夏色の約束。~きみと生きた日々~


……ダメだ、涙が溢れちゃいそう。


泣かないって、決めたのに。


なつは右腕で一回ゴシゴシと目元を擦る。


でもそのとき、お母さんが言った。


「………泣いてもいいのよ。泣くのは悪いことなんかじゃない。大切な人が亡くなって涙が出てくるのは、当たり前のことなんだから」


って。


………何で、何で。


そんな優しいことを言うの………。


そんなこと言われたらさ………。



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