夏色の約束。~きみと生きた日々~
「泣い、ちゃうじゃん………っ」
我慢の限界を迎えたなつの瞳から溢れるのは、とめどない涙の塊。
そして、なつは思うんだ。
ああ、自分はずっと泣きたかったんだなって。
強がってはみたものの、堪えてはみたものの。
心の奥底の本当の自分は、不安で不安で仕方なかったんだなって。
「う……っ、ふぅ……っく」
でも、よかった。
心が壊れて涙が溢れてしまうのが、あおちゃんの前じゃなくて。
大好きな君に、最後の最後までなつの笑顔を見せることができて、本当によかった。