夏色の約束。~きみと生きた日々~
だからもう、いいよね………?
思いっきり泣いても、大丈夫だよね……?
「……っく、うわぁぁぁあん……っ、うぅ……っ」
冷たくなった手を握りしめ、大好きな君の顔を見ながらなつは泣いた。
まるで小さな子供に戻ったかのように、何度も何度も声を上げて叫び続けた。
好き、大好きだよ。
あおちゃんがずっとずっと、なつの全てだった。
あの海辺で、あおちゃんが最期になつにくれた言葉。
“なっちゃん、愛してる───”
この言葉は、君からの最期の贈り物。
一生、なつの中で消えることはないと思う。