夏色の約束。~きみと生きた日々~
あおちゃんが自分の口で、自分の言葉で伝えることができないのなら。
その頑張りをそばで見守ってたなつが、苦しみながらも一生懸命生きているあおちゃんの姿を見てたなつが。
あおちゃんに代わって“命の大切さ”を伝えればいいんだ。
だからなつは、毎年こうしてステージに立つの。
君との約束を、形にするために。
だってそれがなつの今の生きる意味であり、あおちゃんと交わした“夏色の約束”だから。
………君と生きた日々、君がこの世界で生きた証だから。
「あおちゃん……」
なつはゆっくりと閉じていたまぶたを上げ、目の前に広がる壮大な海を見つめる。