夏色の約束。~きみと生きた日々~
今日は、もうひとつ君に大事な報告があるんだ。
「なつね……高校を卒業したら、この島を出ようと思う」
あおちゃんのいる海に向かって、なつは笑う。
「正確には、県外にある看護大学に行きたいの」
その結論にたどり着くまでなつはたくさん悩んだし、たくさん苦しんだ。
だって、なつには今まで夢といえる夢はなかったから。
特にあおちゃんが亡くなってからは、これから先の未来が全く見えなくて。
自分の将来が、思うように描けなかった。