夏色の約束。~きみと生きた日々~


「看護師になるには、看護の学校に通わなくちゃならないからさ。だから、なつは島を出なきゃいけないんだ」


この島には、看護の学校なんかない。


だから、県外の大学を受験しなくちゃいけないの。


「しばらく、会えなくなるね………」


そうこぼれた声が、自分が思っていたより小さくて弱くて。


今までは、つらいときや泣きたいとき、いつもここにきてた。


そしたら、あおちゃんがなつと一緒に泣いてくれて、そのあとはなつの心に光をくれて。


なんだか元気になれるような気がしてたから。


……でも、それももうできなくなる。


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