夏色の約束。~きみと生きた日々~


いつの間にか自分の呼び名も、“僕”から“俺”へと変わったあおちゃん。


ほら、やっぱり大人になったのはあおちゃんのほうじゃんか。


なつなんて、まだ自分のこと“なつ”って呼んでるもん。


なつが何にも言わないでいると、あおちゃんは眉をきれいなハの字にして、


「まだ怒ってる……?」


なんて、なつの機嫌をうかがうように聞いてくる。


なんか、このアングル、どこかで見たことあるような………。


そこまで考えて、なつはパッと思いついた。


あ、そうだ!


なつたちが初めて出会ったあの日も、あおちゃんは、砂浜でこけたなつをこうして心配してくれたっけ。


………もう、ずいぶんと前のこと。


懐かしいな。


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