夏色の約束。~きみと生きた日々~
出会った頃の懐かしい日を思い出して、なんだか幸せな気持ちに包まれたなつは、あおちゃんに向かって全力の笑顔を向けた。
「あおちゃんのばーか!」
「ちょ、なっちゃん……? もう、怒ってないの?」
「もう! 本当にバカだなぁ。 なつ、最初っから怒ってないよ」
なつが笑ってそう言うと、あおちゃんは本当に安心したような顔をした。
「……なんかなっちゃんムカつく」
「あははっ! あおちゃん面白いね。 ねぇ、なつのことムカついたの?」
「そりゃムカつくよ! ……でも、それよりもなっちゃんが笑顔になってくれてよかった」
何を言うのかと思えば、あおちゃんはそんなことを言う。
ドキッと、なつの胸が温かく鳴った。
隣にいるあおちゃんを見れば、あおちゃんはなつを見つめて優しく微笑んでいて。
……ああ、なつ、幸せかもしれない。
朝の太陽が照りつける中、なつはひとりそう思った。