夏色の約束。~きみと生きた日々~
きみがいない日
あおちゃんを想うこの気持ちが“恋”だと気づいてから、もう1週間。
島の風はすっかり肌寒いものに変わり、学校へ着ていく私服も、半袖から長袖のものへと変わった。
そしてなつは今、そわそわしながら国語の授業を受けている真っ最中。
その理由は、朝のお母さんの一言。
なつはいつも通り、あおちゃんが迎えにきてくれるのを待ってて。
早く、あおちゃんに会いたいな。
そう思って、なつはひとりでドキドキしてたんだ。
……でも。
そんななつの気持ちは、すぐに崩れ落ちた。
コンコンと音をたててなつの部屋にきたのは、少し目を潤ませたお母さんで。
“菜摘”って、いつもよりも真剣な顔でなつの名前を呼ぶ。
『どうしたの……?』
こんなお母さんは、初めてで。
『ねぇ、菜摘……』
ものすごく嫌な予感がしたんだ。