夏色の約束。~きみと生きた日々~
「ごめんね、なっちゃん。怖がらせちゃったよね。でも俺、今日一日入院すれば、明日には退院できるから」
「また、なつたち一緒……?」
「……うん、そうだね。また、一緒になっちゃんと登校できるや」
嬉しそうな声に顔を上げると、なつを見て優しく笑っているあおちゃんと目があって、なつも小さく笑みをこぼす。
胸の奥が、キュンと温かかった。
幸せだなって、素直にそう思った。
なつ、こんなにも君のことが大好きになってたんだね。
あおちゃんが好き。
この気持ちは、嘘偽りなく、本物の気持ちだよ。
……でも。
そんななつの淡い想いは、小学5年生を迎えた春に、あおちゃんによってあっけなく壊されていく────。