夏色の約束。~きみと生きた日々~


そんなことをひとり思っていると、目の前にもう見慣れた家が姿を現した。


幼い頃から何度も来た、この家。


なつは肩にかけてあるお気に入りのカバンからピンクの鏡を取り出すと、自分の髪型を念入りにチェックする。


今日は、胸の辺りまである髪の毛を両方の耳の下できゅっと結んだふたつ結び。


髪の毛をチェックしたあとは、顔を下に傾けて服装の確認。


服は淡いピンク色のワンピースにした。


足元は、白いリボン付きのサンダル。


………なつ、変じゃないよね?


朝、お母さんにも確認してもらったけど、やっぱり気になるよ……。


心臓がドキドキと鳴ってるのが、自分の耳にも聞こえてきそうで、緊張が余計に増してくる。


だってね、今日、なつは………。


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