夏色の約束。~きみと生きた日々~


結衣ちゃんの言いたいことがなつにも分かって、なつもつられるように寂しく微笑んだ。


「今日も、1年生に碧お兄ちゃんの話をしにきたの?」


首を傾げた結衣ちゃんの髪の毛が、島の優雅な風に乗ってなびく。


「うん……。そうだよ。あおちゃんと、約束したからね。この約束だけは、なつが絶対叶えてみせる」

「………お兄ちゃんは、幸せ者だね。こんなにも自分を大事に想ってくれる人がいて」

「だとしたら、いいな。なつ、本当にあおちゃんが大好きだもん」


なつがそう言えば、結衣ちゃんの大きな瞳が徐々に潤んでいく。


「なっちゃん、ありがとう」


結衣ちゃんが目を伏せた時、とうとうその瞳から大きな雫が何粒も何粒もこぼれ落ちた。


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