クリスマスはメランコリー
ミーちゃんからフォークを受け取り、また食べ始めたけれど…何だろう?食が進みません。


クリスマスイブだから、彼氏彼女のリア充ばかりなのに…周りからの視線を感じるのはきっとミーちゃんのせい。


周りは皆、私とミーちゃんを比べている…そんな予感。


妬みで汚い自分に憂鬱な気分になりながらも…西洋わさびをつけすぎたローストビーフを一口食べた。


「…辛くて涙が出るぅ」


―――そう誤魔化したけれど、本当はソノ涙じゃない。


目の前のミーちゃんは笑っているけれど…ミーちゃんの心には私はどんな風に映っているのだろう?


「あ、彼氏からメールだ…」

「仕事早めに終わったんじゃない?」

「…うん、今終わったから会いたいって」

「私は大丈夫だから、早く行きなよ!!私はデザート食べてから帰るよ。今日はありがとう」

「ごめんね、ナナ」

「大丈夫、大丈夫!!またね」


うっすらと涙を浮かべながら、手を振った私。


笑って送り出せたかな?


「…はぁっ」


思わず溜め息をついてしまった。


気を取り直して、デザートを取りに行こうとしたら…見計らったように声をかけてきた人が居た。


< 2 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop