不器用な彼の愛情表現
金曜日 仕事が終わり 外へ出る
夏の始まりで 17時でも外は明るい




そのまま帰るのも勿体ない
どこかに寄って行こう



大学の門をくぐり抜けると 人影が現れた
黒いスーツ姿




「昴。」




私の顔をじっと見るだけ
その態度に 私の心は傷んだ




私が思ってる感情と昴が思ってる感情が違うと悟った




言葉が出て来なかった
血の気が一気に引いて 動けない




「着いて来て。」




それだけ言って歩き出す
付いて行くしか出来ない私




今にも逃げ出したい




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