俺とお前のポニーテール
真優の奴… 見えてるっての!
前に一度聞いた事があるんだ、真優のお母さんに。
何でいつも同じ頭をしてるのかってさ。
「 静くん、真優ちゃんは小さいから大きく見えるように結んでるの。それにね、あのポニーテールと似てるからおもしろいでしょ?」
あのポニーテールとは、観葉植物のポニーテールの事だ。
真優が髪を結ぶと、確かに似ている。
当時は笑っていたが、今は別に笑えない。
天真爛漫な親子だなと思う。
今も当たり前にポニーテールをする、真優もよくわからない。
俺もヘアスタイルには気を配るが女が鏡をみる時間よりは短い。
真優は俺の金魚のふん。
なかなか離れずユラユラ後ろにいるんだ。切ったところですぐにユラユラといつの間にかあるんだ。
「 真優!出てこいっ」
ポニーテールがピョコンと現れ揺れている。
恐る恐る顔を出した真優に呆れる。
「 静兄… バレた?」
「 お前ねぇ朝から晩まで俺にくっついててもしかたないだろ?俺じゃなくて友達にくっついてろよ 」
「 意地悪~ いいでしょ別に、静兄と一緒にいるのが普通なんだもん 」
はぁ… 一緒にいるのが普通って…それ兄妹じゃないんだよ。
真優は俺の腕に絡みついて甘える。
「 いいでしょ、一緒がいいの、ダメ? 」
この上目… 小さいからか余計に可愛いく見えるんだよな、まいる…
一緒にいるのが当たり前になってたせいもあって、つい甘やかして突き放せないんだ。
真優のポニーテールがピョコっと左右に揺らしながら俺に甘える。
「 おーっす、静哉!なんだよ、またピョコン付きか~ 」
鼻で笑うように嫌みを含んだ言い方をする奴、原谷は中学からの腐れ縁で一緒にバスケ部だった。