バラとチョコレート(X'mas 仕立て)
「メリークリスマス!!ホーホーホー」
扉を開けると待ちかねていたように少年が元気に挨拶をした。
赤と白の衣装に白い付けヒゲをつけた小さなサンタが赤バラを差し出した。
「respect=尊敬」メッセージカードを確認する。
「君って誰なの?ねぇ、このバラの意味って・・・」
「今日、きっとカヲっぽは全てを理解するじゃろう!」
サンタクロースになり切っているのか、長い口ヒゲを触りながら、低めの声を無理矢理出している。
「それでは、また。ホーホーホー」
少年は足元に置いていた大きな白い袋を肩に背負うと、ホーホーホーと言いながら、去って行った。
貰ったバラを自転車のカゴに入れて、ペダルを漕ぐ。
今日もホワイトクリスマスは期待できそうにない見事な青空が広がっていた。