記憶
「…でも、大翔とあたし…
さっきまで一緒に居たよ?
…なのになんで、
一人で旅しに行っちゃったの?」
涙が溢れて止まらない。
大翔…会いたいよ…
まだ、仲直りできてないよね?
どうして…何も言わずに出かけたの―?
「…結衣ちゃん。
前々からとても気になってた国があるって、
大翔言ってたでしょう?」
大翔のお母さんがあたしにそう問いかけた。
…そういえば、なんか言ってたな。
憧れてる国がいくつかあって、いつかそこに行って見たいって。
…だから?
だから行っちゃったの?
「じゃあ、その内帰ってくるんだ」
「…そう。
い、いつか…帰ってくるの」
そうなんだ。
じゃあ―…